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くるみとあんずの散歩道

ボンの思い出

ここのところ雨続きで、散歩の写真が撮れずにいます。

そこで今日は私の思い出のワンコの話を聞いて下さい。

今でこそシュナウザーのクルアンと、ポメのコタと暮らしていますが、

元々は捨てられたワンコを救う、というのが私の犬との関わり方。

彼らの殆どが雑種でした。

最初の柴犬風ワンコ、のちにボンと命名…を初めて見たときの姿は、

虐待され、首にゴムが食い込み化膿、

更に喉に穴が開けられていて声は出ず、全身はげっそりやせ細り…。

人間不信、極度の臆病、誰にも近づかず、近づけず、刻々と死の訪れを待つばかり。。。

といった悲惨な状態でした。

身も心も傷つくあまり、ひっそりと人目を避け、固い殻に閉じこもっていたボン。

それがなんと、私にだけは心を開いてくれたのです。

自宅近くの倉庫の奥深くに、潜りこんで息を潜めていた彼は、餌を運ぶ私に気付くと

尻尾を振りながらヨタヨタと出てきます。

嬉しさと不安の入り混じったその目は、今でも忘れられません。

朝夕、餌を運ぶうち、徐々に慣れ親しむようになったボンは、

立ち去ろうとする私の足に両手を絡め、「帰らないで…」という仕草をするまでになりました。

そのうちに倉庫の持ち主から苦情が出ました。

ボンの化膿している部分の異臭が耐えられない状態になってきたのです。

今から38年も前のこと、動物病院も犬のグッズも少なく、首輪の出来ないボンの胴輪もなく、

和服を着る際の腰ひもを胴体に結び、

悪臭のため車内には乗せられず、近くの運送屋さんのトラックの荷台に乗せてもらい、

良心的なお医者さんまで通いました。(綺麗な病院では断られたのです)

それは苦心惨憺な行いでした。

恐怖心の強いボンは、走るトラックの荷台から飛び降りようとするのです。

腰ひもで結んではあっても、首輪や胴輪にリードのような、しっかり抑えられる状態ではなく、

強い悪臭で涙が出るほどのボンを抱きしめて、真冬の荷台の上で揺られたものです。

ボンの首に食い込んでいたゴムは、いとも簡単にお医者さんが取ってくださいました。

ドロドロに化膿していて、診察室に臭いが充満し、オェ!っとなったことを覚えています。

喉の穴はかなり古く開けられた模様で、その穴で呼吸をする癖が付いているため、

しばらく様子をみよう、ということになりました。

人間不信のボンの、気持ちを考慮してくださったのかと思います。

それからがまた、新たな問題点が。。。

もう、他人の倉庫で飼ってはいられなくなり、家に引き取らなくてはならないのですが

私の実母は、稀に見る犬嫌い!

大嫌いな犬、心を閉ざした可愛げのない犬。

それを娘が知らぬ間に餌をやり、トラックで医者に通い、

挙句に家で飼いたい、と言いだしたために勃発した激しいバトル!

説得するのにあの手この手。最後は喉頭ガンの手術を受けて喉に穴を開けた

亡き祖父の思い出を引き出し、「お爺ちゃんの生まれ代わりよ!」等々。

このとき、共に手を携えて戦ってくれたのが、現在同居している叔母。

二人で勝ち取った“ボンとの同居”。

ボロボロの毛並み、痩せ細った貧相なワンコを“ボンボン”にしてあげようと

“ボン”と命名。

喜びも幸せも、たくさんの思い出を残してくれました。







今日はこの辺にしておきます。

お読みくださった方々、ありがとうございます。

明日もボンとの思い出を聞いていただけますと嬉しいです。
by kuruann-mama | 2008-08-29 16:34